ビジネスを続けるには「アルゴリズム」を疑え!?SNS時代の“情報免疫力”を育てよう

👦ひろ「X(旧ツイッター)って、なんで見たい投稿が勝手に出てくるんだろう?」

🦉お師匠ゴッド「それが“アルゴリズム”の力じゃ。だが、便利さの裏には“見えない操作”もあるのじゃよ」

スマホで情報が簡単に手に入る時代。でもその情報、本当に「自分で選んだもの」ですか?

SNSや検索エンジンの便利さの裏側には、アルゴリズムという“見えない手”が働いています。これはビジネスを続ける上でも無視できないテーマです。なぜなら、情報に踊らされず、自分で判断できる力=「情報的健康」が、起業や経営を支える土台だからです。

今回は、良書である「アルゴリズム・AIを疑う(宇田川敦史 著)」を参考に溢れる情報との向き合い方について考えていきます。

この記事でわかること

  • アルゴリズムに潜む“落とし穴”とは?
  • ビジネスにも役立つ「メディア・リテラシー」の考え方
  • 情報の“免疫力”をつける習慣のヒント

アルゴリズムって結局なんなの?

👦「アルゴリズムって、プログラミングとかAIの専門用語?」

🦉「そう思うかもしれんが、実は“レシピ”のようなものじゃ」

例えば、カレーを作るときの手順――「玉ねぎを炒めて、肉を加え、水を入れて煮込む」。これも一種のアルゴリズム。つまり「決まった順番で処理するやり方」のことじゃ。

現代では、SNSのタイムラインや検索結果もこの“処理のルール”で選ばれ、表示されておる。


アルゴリズムは誰が作ってる?

👦「でも、そのルールって誰が決めてるの?」

🦉「そこが問題なのじゃ。“中立”に見えて、実は“誰かの価値観”が入っている

X(旧ツイッター)やGoogleの検索結果も、ただの機械処理ではなく「人間が設計したルール」で動いている。つまり、アルゴリズムには設計者の主観が入り込む。

例えるなら、「この人のカレーが正解!」と決めつけるようなもの。他にも美味しいレシピはあるのに、「この味だけが正しい」とされてしまうのと同じです。


SNSの裏側にある“エコーチェンバー”とは?

👦「たしかに最近、似た意見ばかり見えるかも…」

🦉「それが“エコーチェンバー”。似た声ばかり響く“情報の部屋”じゃ」

アルゴリズムは「あなたが興味を持ちそうな情報」を優先して出すため、自然と“同じような情報”だけが繰り返されるようになる。これは注意しないと“視野が狭くなる”危険性がある。

キーワード意味
エコーチェンバー自分と似た考えの情報ばかりが集まる状態
フィルターバブル関心のある情報に囲まれ、他の意見に触れにくくなること

プラットフォーム資本主義と「アテンション・エコノミー」

👦「でもSNSって、無料で使えて便利だよね?」

🦉「“無料”には理由がある。君の“注意”こそが商品なのじゃ」

SNSは、ユーザーの「時間」や「注意力(アテンション)」を“広告”に換えてお金を稼いでいる。つまり、私たちは「見られること」を目的に操作されている。

Googleで検索した後、他のサイトでも同じ商品の広告が出てくるのを見たことはありませんか?これは「行動ターゲティング広告」と呼ばれるアルゴリズムによる仕組み。


情報との付き合い方を“食事”で例えると?

👦「じゃあ、どうすればいいの?情報って多すぎるし…」

🦉「情報は“食事”と同じじゃ。ジャンクばかり食べては体を壊す」

最近では「情報的健康(information health)」という考え方が注目されています。

  • 栄養=信頼できる情報
  • ジャンク=過剰に刺激的な見出しやフェイク情報
  • 健康=偏りのない多様な情報の摂取

👦「そうか…バズってる投稿ばかりじゃ、偏るってことか」


ビジネスを続ける人こそ、情報リテラシーを育てよう

👦「ビジネスにも関係あるの?」

🦉「むしろ、ビジネスを“続ける”者にとっては“生命線”じゃ」

経営判断、戦略立案、SNS運用、顧客とのコミュニケーション──すべて“情報の選び方”が影響する。

誤った情報や偏った意見に流されていては、正しい方向に進めない。だからこそ、自分で判断する力=メディア・リテラシーが必要なんです。


ゴッドのまとめ

🦉「アルゴリズムは、まるで“風向き”のようなもの。見えないが、確実に私たちを動かしておる」

偉人ハーバート・サイモンはこう語りました。

「情報が過剰になれば、注意力が希少な資源になる」

これからの時代は、情報を“どう集めるか”よりも、“どう選ぶか”がカギです。アルゴリズムに流されるのではなく、主導権を自分に取り戻す。それが、ビジネスを続ける力になるのです。


用語解説

用語解説
アルゴリズムある目的を達成するための処理手順やルール。レシピのようなもの。
プラットフォーム資本主義SNSや検索エンジンなどが、ユーザーの行動データを広告収益に変える仕組み。
メディア・リテラシー情報を正しく読み解き、使いこなすためのスキルや考え方。

今日の宿題

あなたが今日1日で触れた情報を、食事に例えるとどんな“メニュー”でしたか?

  • ジャンクばかり?
  • 栄養バランスよく?
  • 情報の出どころは信頼できましたか?

1つでもいいので「自分で選んだ情報」を探してみましょう。