「ビジネスって、結局はモノを売ることだよね」
多くの人がそう考えがちです。でも本当にそうでしょうか?
たとえば、ハンバーガーを買うとき。
あなたは「パンと肉」を買っているのでしょうか?それとも「お腹を満たすこと」や「友達と楽しく食べる時間」を買っているのでしょうか?
実は、ビジネスの本質は “価値を売ること” にあります。
この記事では、お師匠ゴッドと中学生のひろが会話をしながら「価値の正体」に迫ります。読者のあなたも一緒に、「ビジネスが本当に売っているもの」を考えてみましょう。
この記事でわかること
- ビジネスは「モノ」ではなく「価値」を売っていることが理解できる
- 価値の3つの正体(機能的・感情的・社会的)を具体例で学べる
- 自分のアイデアを「価値」に変えるヒントが見つかる
ビジネスは“価値”を売っている
🦉お師匠ゴッド「ひろよ、ビジネスとは何を売ることだと思う?」
👦ひろ「えっと…商品とかサービスでしょ?お菓子屋さんならお菓子を売るし、ゲーム会社ならゲームを売るし。」
🦉「もちろん、それも正しい。だが、もっと本質的な答えがある。」
👦「❓」
🦉「ビジネスは“価値”を売っているのだ。」
👦「価値?それって“お金”のこと?」
🦉「違う。価値とは、“人が欲しいと思う意味や体験”のことじゃ。」
“モノ”ではなく“体験”を買っている
スターバックスの例
コーヒー自体ならコンビニで100円前後で買えます。
でも、多くの人がスターバックスで500円以上払います。なぜでしょう?
見えるモノ | 本当の価値 |
---|---|
コーヒー | 居心地のよい空間 |
友人や自分と向き合う時間 | |
ブランドの安心感 | |
ちょっと特別な気分 |
👦「あっ!コーヒーを飲むだけじゃなくて、“スタバでくつろぐ体験”を買ってるんだ!」
🦉「その通り。人は“商品”ではなく“商品がもたらす価値”を求めているのだ。」
価値の3つの正体
① 機能的な価値
「便利」「速い」「安全」など、役に立つこと。
例:Amazonの“翌日配送” → 時間を節約できる。
② 感情的な価値
「楽しい」「安心する」「自分らしい」など、気持ちを満たすこと。
例:お気に入りの洋服を着ると気分が上がる。
③ 社会的な価値
「人や環境に役立つ」「仲間意識が持てる」など、社会とのつながりを感じること。
例:寄付つき商品やエコ素材を使った商品。
👦「なるほど!見えない気持ちや社会へのつながりも“価値”なんだね!」
🦉「その通り。“見えない価値”こそが人の心を動かす力を持つのだ。」
実例で学ぶ“価値”の正体
AppleのiPhone
- 機能的価値:操作のしやすさ、カメラ性能、アプリの豊富さ
- 感情的価値:持っているとカッコいい、自信が持てる
- 社会的価値:世界中で使われている安心感、仲間意識
👦「僕の友達も“みんながiPhoneだから”って理由で選んでた!」
🦉「それがまさに社会的価値じゃ。」
ユニクロの服
- 機能的価値:シンプルで高品質、値段も手ごろ
- 感情的価値:清潔感があって安心できる
- 社会的価値:“ユニクロなら間違いない”という信頼感
👦「安いだけじゃなくて、“失敗しない安心感”も買ってるんだ!」
🦉「そうじゃ。ユニクロの強みは、機能と安心を組み合わせた価値提供にある。」
LINE
- 機能的価値:無料で手軽にメッセージや通話ができる
- 感情的価値:大切な人とつながれる安心感
- 社会的価値:“みんなが使ってるから外せない”というつながり
👦「たしかに!LINEがないと仲間はずれになっちゃう感じがする!」
🦉「それが“社会的価値”の典型例じゃな。」
身近な例で考えてみよう
スマホケースの場合
- 機能的価値 → スマホを守る
- 感情的価値 → 好きなデザインで気分が上がる
- 社会的価値 → エコ素材なら環境に優しい
👦「僕がケースを選ぶときも“かっこいいから”とか“友達に見せたいから”って気持ちで選んでる!」
🦉「そう、それこそが価値だ。」
“価値”を見つける3つの質問
- 人はなぜそれを買うのか?
- 他の選択肢ではなく、なぜこれを選ぶのか?
- 買ったあと、どんな気持ちになるのか?
👦「この質問を考えれば、自分のアイデアをビジネスにつなげられそう!」
🦉「そうだ。価値は理屈ではなく、“人の心”の中にあるのだ。」
意外な例:ディズニーランド
👦「ディズニーランドって、ただの遊園地じゃないよね。」
🦉「その通り。ディズニーが売っているのは“夢の体験”じゃ。」
- 機能的価値:最新のアトラクション
- 感情的価値:ワクワク、感動、思い出
- 社会的価値:“ディズニーに行った”という共通の話題
👦「ただ遊ぶだけじゃなくて、心に残る“物語”を買ってるんだね!」
ゴッドのまとめ
🦉「まとめよう。ビジネスは“モノ”を売るのではなく“価値”を売る。価値には【機能的・感情的・社会的】の3つがあり、人はその組み合わせに惹かれて商品やサービスを選ぶのだ。
ピーター・ドラッカーはこう言った。『顧客が買っているのは“商品そのもの”ではなく、それによって得られる価値である』。
ビジネスを始めるなら、“自分はどんな価値を人に届けられるか”を考えることが第一歩なのだ。」
用語解説
- 価値:人が「欲しい」と感じる意味や体験のこと。モノやお金ではなく「便利さ」「安心」「特別感」などを含む。
- 機能的価値:便利・安全・速いなど、役立つことで得られる価値。
- 感情的価値:楽しい・安心する・ワクワクするなどの感情から得られる価値。
今日の宿題
最近あなたが買ったものを思い出してみてください。
そのとき、
- どんな“価値”を求めて買ったのか?
- その価値は「機能」「感情」「社会性」のどれに当てはまるか?
ノートに書き出してみましょう。きっと“価値の正体”が見えてきますよ。