挫折から立ち直ったひろの物語〜比べて苦しくなった僕へ〜

「なんで、あいつはうまくいくのに、自分はダメなんだろう…」

SNSを開くと、友達の「キラキラした成功」が目に飛び込んできて、自分だけが取り残された気がする。

そんな経験、ありませんか?

今回の主人公ひろは、「人と比べて落ち込む」という、誰もが一度は通る“心の挫折”にぶつかります。でもそこから、ある「気づき」を得て、自分を取り戻していくのです。

この記事でわかること

  • 人と比べて落ち込む原因と対処法
  • 自信を取り戻すための行動習慣
  • 自分らしい軸のつくり方

SNSを見て、自信がなくなった

🦉お師匠ゴッド「むむ、ひろよ。その顔は“人に会いたくない顔”じゃな。」

👦ひろ「……なんか最近、ずっとモヤモヤしててさ。」

🦉「何があったのじゃ?」

👦「SNSでさ、中学の友達が有名クリエイターに作品を紹介されてバズってて…しかも他の子もアプリ開発で賞を取ったって投稿してて…すごいなって思う反面、“自分って何やってるんだろう”って思っちゃって…」

🦉「ふむ。それは、まことに現代的な“挫折”じゃのう。」


比べた相手の「裏側」は見えていない

ひろが落ち込んだ理由は、「自分の努力」や「成果」が否定されたわけではなかった。
ただ、他人の「成功」や「称賛される姿」がまぶしすぎて、まるで自分が“劣っている”ように感じてしまったのだ。

でも、お師匠ゴッドは問いかけた。

🦉「ひろよ、SNSで見えるのは“完成された瞬間”だけじゃ。そこに至るまでの努力や失敗は、見えぬ。」

👦「…たしかに。裏ではどれだけ頑張ってたかなんて、わかんないもんな。」

🦉「そして、そもそもおぬしは“他人の人生”を歩んでおるのではなく、“おぬし自身の物語”を生きておるのじゃぞ。」


比べてしまうのは「脳のクセ」

人と比べて落ち込むのは、意志が弱いからではありません。
私たちの脳には、以下のような“クセ”があるからです。

脳のクセ内容
生存本能「自分は集団の中でどの位置にいるか」を気にすることで、生き残ってきた歴史がある
見えるものしか信じないSNSなどの「成功の一部だけ」を見て、それがすべてだと思い込んでしまう
自分の内面を見過ぎる自分の不安や焦りには敏感だが、他人の“悩み”は見えない

👦「じゃあ、“比べないようにする”って、無理なんじゃ…?」

🦉「無理に比べないようにせずともよい。“比べた”と気づいたときに、“戻る場所”があればそれでいいのじゃ。」


「何のためにやってたんだっけ?」

ひろは自分に問いかけた。

「僕はなんで、イラストやアプリづくりをしてたんだろう?」

  • バズりたかったから?
  • 有名になりたかったから?
  • みんなにすごいって言われたかったから?

…いや、違った。

もともとは、ただ「楽しいから」「形にするのが好きだから」やっていた。

いつの間にか、「他人よりすごい自分になること」が目的になっていたのだ。

👦「そりゃあ、苦しくなるはずだよな…」


心がラクになる“行動の習慣”

🦉「ひろ、心を立て直すには“行動”が必要じゃ。心は“動くことで整っていく”ものだからのう。」

そこで、ひろが実践したのは以下の3つ。

習慣効果
自分の過去作を見返す成長の“証拠”を思い出せる
一日10分だけ、好きな制作をする「楽しい気持ち」を呼び戻す
SNSを“発信の場”として使う「人に見せること=成果」でなく「共有の喜び」として使う

👦「不思議だけど、10分だけでも“やる”と気持ちが前向きになるんだよね。」

🦉「“やる気が出たらやる”ではなく、“やったからやる気が出る”のじゃよ。」


自分のペースで進んでいい

ある日、ひろはたまたま描いたキャラデザインをX(旧Twitter)に投稿した。
バズることはなかったけれど、あるフォロワーからのリプが心に残った。

「ひろくんの世界観、なんか落ち着く。こういうの、好き。」

その一言で、心がふっと軽くなった。

「すごくなくても、“好き”と言ってくれる人がいる。
じゃあ僕は、僕らしく、続けていけばいいんだ。」


ゴッドのまとめ

🦉「“人は比べることで自分を知る。しかし、比べすぎると自分を見失う。”——これはワーズワースの詩に通じる真理じゃ。」

🦉「他人の光に目を奪われすぎるな。おぬしだけの光は、外ではなく、内にある。」


用語解説

  • 比較疲れ:他人と自分を比べることで、自己肯定感が下がってしまう状態
  • 行動習慣:感情に左右されず、「決めた時間にやる」「やると決めたら少しだけでもやる」といった継続のコツ
  • 自己肯定感:自分の存在や努力に価値を感じられる感覚。「できる」よりも「ここにいていい」と思えることが本質

今日の宿題

「最近、人と比べて落ち込んだことがあったら、それを“なぜ比べてしまったのか”まで書き出してみよう。」

「その後、“自分が最初にそれを始めた理由”を思い出して、1文で書いてみよう。」