黒字でも倒産するってどういうこと?

「え?黒字なのに倒産ってどういうこと?」
そんなニュースを見たことはありませんか?
一見、利益が出ているなら安心なはずなのに、なぜか会社がつぶれてしまう…。

今日はそんな不思議を、🦉お師匠ゴッドと👦ひろの会話を通して、わかりやすくひも解いていきます。
読んだ後には、あなたも「お金の流れ」を意識するようになるはずです。

この記事でわかること

  • 黒字倒産の意味と仕組み
  • 「利益」と「お金の流れ(キャッシュフロー)」の違い
  • 倒産を防ぐための考え方

黒字倒産の仕組みを知ろう

🦉お師匠ゴッド「ひろよ、ニュースで『黒字なのに倒産』って聞いたことがあるか?」

👦ひろ「あります!この前テレビでやってました。でも…黒字ってことは儲かってるってことですよね?それなら潰れるわけないじゃないですか?」

🦉「実は“黒字”と“お金が足りている”は、まったく別の話なんじゃ。」

👦「⁉」


黒字=利益は出ているけど…

会社は「利益が出ているかどうか」で黒字・赤字を決めます。
しかし、倒産するかどうかは お金が手元にあるかどうか で決まります。

利益とお金の流れは違う

利益(黒字か赤字か)お金の流れ(キャッシュフロー)
意味売上から経費を引いた数字実際に入ってきたお金と出ていったお金
判断するタイミング会計上の計算銀行口座のお金の増減

どうして黒字なのにお金がないの?

🦉「例えば、ひろが友だちにお菓子を1000円で売ったとする。しかし、お金をもらうのは3か月後だとしたらどうなる?」

👦「売上は1000円。でも、今はお金がない!」

🦉「そうじゃ。その間に仕入れ代や電気代を払わなければならないのに、手元のお金がない…。これが続くと、帳簿は黒字でも実際は支払いができずに倒産してしまうのじゃ。」


黒字倒産が起こる主なパターン

大きな売上をあげたのに入金が遅い

  • 大企業との取引は入金が遅いことが多い
  • 先に仕入れや人件費を支払わなければならない

設備投資や在庫にお金を使いすぎる

  • 借金をして機械を買うと帳簿では資産扱い
  • でも現金は減るので支払いが苦しくなる

税金や返済のスケジュールを見誤る

  • 黒字なら税金が発生する
  • キャッシュを確保していないと一気に資金がショートする

日常の例でイメージしてみよう

👦「例えば、どんな感じで考えればいいんですか?」

🦉「日常でいうと、ひろがアルバイトをしていて、給料日は月末だけど、月の途中でスマホ代や交通費の支払いが来るイメージじゃ。」

👦「なるほど!月末にはちゃんと黒字でも、その前にお金が足りなくてピンチになるってことですね!」

🦉「そうじゃ。会社もそれと同じ。お金が入るタイミングと出ていくタイミングがずれていると、黒字倒産になる可能性があるんじゃ。」


黒字倒産を防ぐために

では、どうしたら黒字倒産を防げるのでしょうか?

キャッシュフローを意識する

  • 月々の入出金の流れを表にして把握する
  • いつ、いくら必要かを常に見ておく

支払いサイトを短く、回収サイトを早く

  • 仕入れ先に支払う期限を延ばせるか交渉する
  • お客さんからの入金を早めてもらえる工夫をする

無理な投資をしない

  • 手元資金を厚めに確保してから新しいことを始める

黒字倒産を防ぐには「利益計算」だけでなく「お金の流れの計画」が大切です。
特に小さなビジネスでは、毎月の資金繰り表を作ると効果的です。


ゴッドのまとめ

🦉お師匠ゴッド「黒字倒産は、“利益が出ている=安全”という思い込みを打ち破るものじゃ。目に見える利益より、手元の現金を大切にな。」

👦「はいっ!これからは“黒字=安心”じゃなくて、“お金の流れ=命綱”って覚えておきます!」


用語解説

  • キャッシュフロー
     実際に手元のお金が増えたり減ったりする流れのこと。
  • 黒字
     売上から経費を引いた結果がプラスになっている状態。
  • 資金繰り
     会社のお金の出入りを計画し、支払いが滞らないようにすること。

今日の宿題

「もし自分が小さなお店をやっていたら、どんなタイミングでお金が入ってきて、どんなタイミングで出ていくか?」
紙に書き出してみてください。
意外な“タイムラグ”に気づけるはずです。