利益があるのに、お店がつぶれた!?〜カフェ店長マサルの気づき〜

👦「えっ、黒字なのにつぶれるって、どういうこと?」

🦉「売上と利益の違いをちゃんと知らないと、そんなことが本当に起きるのじゃ…」

おしゃれなカフェを夢見て開業したマサル。連日満席で順調そうに見えたお店が、突然閉店してしまった。その理由は、売上と利益、そしてキャッシュの“勘違い”にあった――。

この記事でわかること

  • 売上と利益、キャッシュの違いが“リアルな失敗談”から理解できる
  • 黒字倒産が起きる本当の理由
  • 起業初心者が気をつけるべき「数字の落とし穴」

カフェを開いて半年、順風満帆のように見えたマサル

👦「カフェって、儲かりそうだよね。いつもお客さんでいっぱいだし!」

🦉「見える景色だけで判断すると、本質を見誤るぞい…」

マサルは29歳。会社を辞め、地元に念願のカフェをオープンした。
開業資金は300万円。自己資金に加えて、家族に少しだけ借りた。

おしゃれな店内、こだわりの豆。SNSで話題になり、オープン初日から満席続き。

「やった!想像以上にうまくいってる!」

売上は毎月100万円超え。誰が見ても順調そのもの――だった。


なぜか、お金がどんどん消えていく

ある日、マサルは通帳を見て、驚く。

「え?こんなに売れてるのに、口座にお金が残ってない…なんで?」

実際に出ていくお金を計算してみると――

項目月額(円)
家賃120,000
人件費(バイト2名)200,000
材料費(豆・スイーツなど)400,000
光熱費・通信費50,000
広告費30,000
雑費・備品費20,000
借入金の返済50,000
合計870,000

売上:1,050,000円
経費合計:870,000円
利益:180,000円

「利益、あるじゃん…え、でも…この金額でやってけるの?」


売上よりも怖い“キャッシュ不足”

そして、問題は“利益”ではなかった。

1月末、税金や保険料、急な機器の修理代が重なり、支払いが30万円超に。
しかも売上の入金はクレジット決済が多く、2ヶ月後にズレてやってくる。

「お金が…回らない…!」

こうして、利益が出ているのに、支払いができず、閉店に追い込まれた。


「売上」と「利益」と「キャッシュ」の違い

👦「売上があっても、お金が手元にないとヤバいってことだね…」

🦉「その通り。“利益”と“現金”は、まったく別物じゃ。」

用語意味
売上お客さんからもらったお金(入金前でもカウント)
利益売上から必要な経費を引いた“数字上の儲け”
キャッシュ実際に手元にある現金(銀行口座や現金レジなど)

特に起業初期では「キャッシュが切れると即終了」になることも多い。


マサルの気づきと再出発

マサルは閉店後、半年間アルバイトをして経営の勉強を続けた。
そして、次に出店したのは、小さなテイクアウト専門のコーヒースタンド。

経費を最小限に抑え、キャッシュフローを毎日確認する習慣を身につけた。

「今度こそ、自分のビジネスを育ててみせる。」


ゴッドのまとめ

🦉「数字はウソをつかぬが、人は数字を見誤る。

おぬしに経営の格言を与える。
“売上”に喜び、“利益”に安心し、“キャッシュ”に生き残る。

キャッシュがそれだけ大切ということだ」


用語解説

  • 売上:商品やサービスを販売して得た金額。入金されてなくても発生した時点で計上される。
  • 利益:売上から経費を差し引いた「儲け」。ただし、手元のお金とは違う。
  • キャッシュフロー:実際の現金の流れ。入金と出金のタイミングが重要。

今日の宿題

あなたの考える「本当に大切なお金の数字」はなんですか?
売上・利益・キャッシュのどれに、今の自分は注目しているでしょうか?